心癒す

ブログ

心が満たされない


心は、満たされない

心が満たされない――。
この感覚は、誰にでも訪れるものです。どれだけ頑張っても、誰かに愛されても、何かを手に入れても、ふとした瞬間にぽっかりと穴が空いたように感じる。まるで、心の奥に小さな空洞があって、そこに風が吹き抜けていくような寂しさが残るのです。

私たちは、「満たされたい」と願います。愛で、優しさで、成功で、承認で。けれど、どれも一時的なもので、時間が経つとまた別の空白が顔を出します。
それは、心が「生きている」証拠なのかもしれません。生きている限り、人は求め続ける。昨日の満足では、今日を生きることはできないからです。

心が満たされないとき、多くの人は「何かが足りない」と感じます。けれど、本当に足りないのは「何か」ではなく、「自分を感じる時間」なのかもしれません。
忙しさや人間関係の中で、私たちはつい、自分の気持ちを後回しにしてしまいます。「こうするべき」「あの人のために」と頑張るうちに、自分の心が何を求めているのか、見えなくなってしまうのです。

静かな場所で、ただ自分の心の声を聴く。
「今、寂しいんだね」「頑張ってきたね」「本当は、優しくされたいんだね」――そう言葉にしてあげると、少しずつ心はやわらいでいきます。満たすとは、外から何かを埋めることではなく、内側に灯をともすこと。
他人の愛や承認は一瞬で通り過ぎていくけれど、自分を認める言葉は、静かに長く心に残ります。

心が満たされない夜があるなら、無理に埋めようとしなくてもいいんです。
その空白を抱えたまま、今日を生きている自分をただ受け入れてあげる。
そうすると、不思議と少しだけ、心があたたかくなります。
満たされないという感情も、実は「生きる力の証」なのです。


2025年11月8日

« »