虐待からの脱出
どれだけ傷ついてきたとしても、あなたには“逃げる権利”があります。長い間、怒鳴られ、否定され、支配され、心が壊れそうになりながらも耐えてきたのは、あなたが弱かったからではありません。むしろ、必死に生き延びてきた強さがあるからです。けれど、その強さが「ここにいていい理由」になってしまうこともあります。本当はもう十分頑張ってきたのに。虐待から抜け出すという決断は、簡単ではありません。恐怖、罪悪感、周りの目、生活の心配。どれもあなたを縛りつけます。「出たらもっと悪くなるんじゃないか」「私が我慢すればいいだけなんじゃないか」そんな声が心の中で何度も響くでしょう。でも、その声の正体は“洗脳”です。あなたの価値を奪った人の影響が、まだ心の中に残っているだけ。それはあなたの本心ではありません。大切なのは、“ひとりで抜け出さなくていい”ということ。相談できる人が一人いるだけで、状況は大きく変わります。友人、行政相談窓口、支援センター、LINE相談、医師、カウンセラー。どれでもいいのです。あなたがSOSを出した瞬間から、道は必ず開きます。虐待する人は、外からの目をもっとも嫌います。誰かとつながることで、あなたの安全は確実に高まります。そして、逃げたあとの人生は「空白」ではなく「回復のはじまり」です。最初は何をしても涙が溢れたり、恐怖が突然よみがえってきたり、自己否定が強くなることもあります。でも、それは正常な反応です。長い間、心が緊張し続けていたのです。少しずつ、安心できる日々を積み重ねることで、心と体は確実に回復していきます。いま伝えたいのは、ただひとつ。あなたは、虐待されるために生まれてきたのではない。あなたは守られるべき存在で、幸せになる権利がある。そして、脱出は「終わり」ではなく、「あなた自身の人生の始まり」です。どうか、自分の未来をあきらめないで。あなたには、その一歩を踏み出す力が必ずあります。
2025年11月21日